「電子レンジ」火災だ。 過去には1人が死亡したり、105平方メートルを全焼させたりした事例もあり、決して侮ることはできない。 爆発の衝撃が大きさがわかる東京消防庁の実験映像と、注意すべき点を紹介する。
20〜24歳が最多
2012〜21年の10年間で計394件発生しており、死者1人、負傷者31人が出ている。過去には105平方メートルを全焼する火災もあった。 この電子レンジを原因とする火災の特徴は、若い世代が起こすことが多い点にある。 年齢別にみると、20〜24歳が43件と最も多い。25〜29歳が34件、30〜34が32件と続いた。 昨年に最も多かったのが「加熱する」(47件)だった。これは食品を長時間加熱してしまうことで火災につながってしまったケースだ。 次に多かったのが「考え違いにより使用を誤る」(9件)。電子レンジでは使用できないアルミ製の包装ごと加熱した事例という。 東京消防庁管内では昨年、このような電子レンジ火災が発生している。
実験でも炎が上がった
まずは肉まんを長時間温めてしまった場合だ。 電子レンジに肉まんを入れて5分ほど加熱すると、白い煙がレンジから漏れ始めた。 そして10分が経過しようとしたところで「バン!」と破裂音が響き、それと同時にレンジの扉が勢いよく開いた。レンジ内ではオレンジ色の炎が燃え上がった。 サツマイモも同様に10分以上加熱すると白い煙が発生し、15分ほどで勢いよく爆発した。
NITEも注意喚起
NITEの実験でも、食品を電子レンジで長時間加熱したことで、煙が立ち込め、炎が上がる様子がわかる。 東京消防庁やNITEが呼びかける注意点は次のとおりだ。
さつまいもや肉まんなどは長時間加熱しすぎると急速に燃える危険性がある加熱時間を長めに設定せず、説明書や調理方法を確認するその場を離れず、食品の様子を見ながら加熱する冷凍食品などは、「袋ごとレンジ不可」など包装に表示がないか確認する電子レンジの周囲に可燃物を置かない
また、電子レンジ内で火が上がった場合は「レンジの扉を開けないように」しなければならない。 扉を開けてしまうと、空気が流れ込んで炎が大きくなる危険性があるためで、NITEは「電源プラグを抜いたうえ、火が鎮火するのを待つように」としている。 (サムネイル:東京消防庁のYouTubeから)